僕ら一家は田舎に引っ越す事にした。
僕もﾋﾄﾘ暮らしの長い■■■の部屋から田舎に帰って来た。
…と。
お次のﾗｲﾌﾞ情報を入手して、なんだかいてもたってもいられなくなる。
あぁっ？！やっぱりこんなとこからだと遠すぎるよー！東京は遠いよー！
そんなことだろうと思ったよ、と、母は云う。ｱﾝﾀの部屋は引き払ってないから…そのｺﾄﾊﾞをきいて、僕はいそいそと荷造りをする。
僕の為に作られたその部屋の押し入れを開けると、まだ整理してなくてｺﾞﾁｬｺﾞﾁｬの荷物が。
まず出て来たのは、ﾋﾟﾝｸと茶色の細身のｶﾝｶﾞﾙｰのﾇｲｸﾞﾙﾐ。
これは、心配そうに見てるﾕｳﾀくんにあげよう。
僕は、あの、ﾋﾟﾝｸのｵｵｶﾐのﾇｲｸﾞﾙﾐだけでいい。