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無意識のデータベース
2024 September / 22 Sun ×
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2001 May / 09 Wed ×
山の住宅地用の造成地、坂道の入口にあるプレハブ小屋が「家」だと思って入口を探そうとしたら
一緒に歩いていた妹に違う、と制された。
アレは宅地造成が始まる前からあった(貧困層の)家だといわれた。
だから街の雰囲気が悪いのか、
宅地といってもまだ市営住宅しかない、しかも新築とは言い難い60〜70年代のような外観だし、
造成中で赤土が露出したままの盛土とか、まだ手を付けられていない林とか。
そのプレハブ小屋から少し登ったところに市営住宅の入口があった。
ボクらの家は市営住宅の集合の坂のイチバン下の棟で、玄関の土間が隣の家と兼用だった。
隣の家の住人は小太りで大柄な30ぐらいのアキバ系の男性でボクらが帰ってくると声をかけてきた、
玄関から彼の家の中に少し顔を出して立ち話をした、
彼のシュミや外観からは不似合いなアジア系のムードな内装で、
赤色が基調のゴールドの縁取りやプリントが多い照明の落ちた部屋なのだ。
ボクと彼は以前からの知合いラシイが妹や父は知らないらしい。
家に入ると父が勝手に模様替えをしていたらしい。
玄関から入ってまっすぐ半間歩くと4畳半のDKで、その奥に洋間がある、
廊下からDKに入って左の壁にぐるっとシンク台があり、右の壁面はシステム収納になっている、
システム収納の前に(引越し先から持ってきた)白い家具が2台ぐらい置かれたまんまになっていて、
シンク台の前にも3台、食器だなと食品ストッカー、2ドア冷蔵庫が置かれていた。
レンジ台は3基あってそれぞれが独立して回転できるようになっていて、
ナナメ30度に同じ方向を向いていた。
システム収納の洋間側の下に備え付けの1ドア冷蔵庫があるがその中までカラッポになっていた、
ショック!キャベツの1/8カットがまだ残っていたはず、お好み焼きにしようと思ったのにぃ!
慌てていると父が2ドアの方に入れた、という、2ドア冷蔵庫に全部移されているようだ。

窓からいつもの溜まり場の同じ団地内のヤツんちの部屋に入った。
既に悪ガキ3人は集まっていてダラダラと過ごしている。
幼なじみの3人はガリ勉系メガネクン、勝ち気なイケ面クン、面倒見の良い体育会系クン、
この溜まり場はイケ面クンの部屋で、白が基調の紺色の落ち着いた部屋なのだ。
ボクは小学校入学時に買ってもらったと思われる学習机に座って、体育会系はベッドで、
イケ面は自分の椅子、部屋の真ん中を仕切るようにある大きなホンダナの向こうにも高いイスがあってそこにガリ勉クン、
やっぱりなにすること無くダラダラ喋っていて日が暮れるのをまっている、
夕方の日が射し込んできた頃にケータイがなる、体育会系の彼女からのデンワ、
そろそろ集合時間じゃねぇ?制服に着替えて窓から出る、眩しいくらいのオレンジ色の夕焼け、髪型が決まらなくてモタモタする。

集合場所に選んだのは山道を切り開いて広くした二車線の道路、脇道がある三叉路の分岐点だ。
道の向こうに外国人の軍隊が来る筈だった、ここで待ち伏せするしかない。
脇道の方から声が聞こえるから行ってみる。脇道は岩場の間を下り坂になっていて、
岩場が終わると広がる干拓地のひび割れた地表。そこを歩いてきたらしいモーニングを着た紳士と貴婦人の数人の御一行様(貴族風)だった。
程よく酔っているらしく自棄に陽気だった。
戦場になるかもしれないからと云うが聞き入れはしないのでほっておいて集合場所に戻った。
モドルと別の部隊が到着していて知合いの部隊長(短髪のブリーチ頭20代前半中肉中背)がうなだれている。
防寒と防弾の為に着替えをするが皮のジャンパーの上に空挺部隊のライフジャケットは着れるかしら?
総重量を思うと肩が凝りそうな気がした。
バックパックもなんとか背負った。大丈夫そうだ。何か余っているが…
岩場を螺旋状にまわって上がると中世の岩窟院をそのまま使ったガッコウの広場だった、
定時のハープシーコード演奏中で、壊れた木製のオルゴール人形が奏でるが音程がずれている。

岩窟院の一室に4人で集まっているうちに、予約の時間が来ていることに気が付いた。
その部屋の奥にガラス張りのドアの向こうにレストランがある、
白木造りの洒落たレストランで、窓際にピアノがある、入口から左側には大きな窓になっていてテラスが見える、
テラスにはプール、日はとっぷりと暮れていて月が出ていた。
ペンギンのボーイに案内されて既に来ていた連れ(カズヤ)のテーブル、正面に座る。
コース料理のメインディッシュをバクバクいってるカズヤに比べ、前菜すらオナカイッパイで食えそうもない。
下げられる松華堂風の小分け器。中には手を付けてない料理。
残したものをオリ詰めにして持って帰れないかなぁ、と隣の席の女の子たちがいう、
しかも別テーブルの料理に目を付けてる、
マイコ アンド タクヤ。海老のムニエル2/3を食べ残したそれを持ち上げて云う。
いや、それ食べたってマイコにはなれないし…悪趣味な。

窓の向こうの月夜はいよいよ深くなっていく、
目をテーブルに移すと水を描いた絵は光と水の関係がイマイチ出来が悪い、
一番難しいテーマなのに、
ホンモノの水ならどう映すだろうか?
そう考えてもう一度窓の向こうを見るとプールがボコボコと泡立つ、
プールの中には何か生物が、水の中から薄いピンクのマダラがあるクジラが姿をあらわす、
プールより巨体なそのクジラは苦しそうに身返りをうつ、月に照らされた瞳は青白く光っている、
何も見えない様に、
クジラが死んでしまうんだ、そう思うと目が離せなくなる、
私の左となりに分身が立っている、イッショにその様子を見ている、
クジラは私たちに気が付いたようでアタマをこちらに反転して、水からあがった。
水から上がった頭部は銀色のラメ素材に水色の縁取りのピエロの衣装に身を包んだ女性に変化する、
両手を祈るように胸の前で合せ、目は閉じたままで、
垂れた首を差し出されたような格好になったので思わずその衣装に包まれた頭を撫でる、
ワスレナイからね、
と呟いて今迄有難う、と呟いてそっと抱いた体は老衰と肥満で膨れ上がってブヨブヨになっていた、
この体を包んでいる苦しみからも解放される、
そう思うと死を静かに受け入れているクジラに、私たちは何も出来ないことを思い知らされる。
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