地球は開拓を広めた。金星や水星がﾃﾗﾌｫｰﾐﾝｸﾞに成功していた。
地球ではない星に女の子とﾋﾟﾙ、という名前の
愛らしいﾅﾒｸｼﾞの形をしたﾍﾟﾗﾍﾟﾗの青色折り紙で出来たような2次元の生き物、
生物学者の父と住んでいた。
父は亡くなるときにﾋﾟﾙを手放すなと言い残している。
女の子の母親はなにか特別な力があって、彼女もそれを受け継いでいる、
父はそれもあまり使うなといっていた。

地球にいた身寄りのない浮浪児がやってきた。
惑星連絡線に密航してｺｺに来た。
父が亡くなったので寂しくて一緒に暮らすことにした。

観光客風のｵﾄﾅ、男性3人が父の所在を聞く。
もう死んだ、ことを告げると、ﾋﾟﾙに興味を示した。

ﾋﾟﾙは瞬間移動の能力があるはずで、
奪い取られてしまうんじゃないかと心配したｶﾉｼﾞｮは
一緒に飛ぼうとしたが巧く行かない。
「場」に捕まっている。と感じた。
ﾋﾟﾙをｵﾄﾅたちに奪われてしまった。

ｷﾑﾗ、という名前の浮浪児がﾃﾞｰﾀを盗んだ、
ﾀｰﾐﾅﾙのある町に行く、
ﾋﾟﾙがいなくても「飛べた」
ｵﾄｺ達はﾎﾃﾙの一室にいた。
ﾋﾟﾙを奪うと、飛んだり走ったりして、ｴｱﾎﾟｰﾄに向かった。
ﾀｰﾐﾅﾙ周辺は映画みたいな近代的SFのｿﾚ、
小さなｼｬﾄﾙに待ってるｷﾑﾗを見つけて飛び出した。

次に見た景色は
赤い肌が続く荒野だった。
ひび割れた地面が痛々しい。

緑の地球はもう、TVでしか見れない、

そう思った。

2次元のﾋﾟﾙは消えたり現れたりしながら、
水際まで移動している。
酸の海、というｿﾚに少し浸されて、紙が濡れた、
小さい小さい体から緑のｴｷｽを吐き出した、
2次元の青色紙の方は燃えるように溶けていく。