農家の畳、おうちで留守番をしていた。

縁側から外に出ると、
村の東側にある山の向うから火事が広がっていく。
ﾋﾞﾆｰﾙが燃える時のように、
薄皮を剥されていくように広がる火事は、緑を燃やしていく。

それを、移動する車の中から見た。
運転は、知っているﾋﾄがしていた。
西側の山沿いの国道を走りながら、見ていた。


夜になって、
雨が降った後なので、
村は灰色の泥に埋まってしまう。
ﾛｸﾞﾊｳｽの2階の部分が出ていた。
「DOG HOUSE」と書かれた民家が、残っていた。

家に帰ってみると、
中は泥に埋まっていた。
泥の下にじいさんの遺影が残っているだろうか。
形見の品とかいうのも全て泥の下だ。
「L■e D■r」と書かれたｽﾞｯｸを履く。
…小学校に行かなきゃ。
外の庭にはばあさんと母。そして被害状況を聞きに来た刑事。

小学校に行くとﾊﾞﾚｰﾎﾞｰﾙ、ﾈｯﾄの向うのﾋﾄに見世物。
演技をしてみせた。
鏡に映った自分の姿は、髪が増えていて、ﾎﾞｻﾎﾞｻになっていた。
外に出る前のﾋｷｺﾓﾘの少女のような姿だった。