ﾎｰﾙの入口、円形の、道路から階段を降りたところに。
ﾎｰﾙのｴﾝﾄﾗﾝｽﾛﾋﾞｰ、円柱が数本たっていて、宿り木のように待ち合わせ場所になっている。
ﾎｰﾙの照明は閉館した後みたいに暗い。まだ開いていない。
僕の顔を知っているのはﾕｳｽｹくんだったが、ぼくはﾑｻｼの顔を目印にその一団に近づいた。
ｻｰﾃﾞｨﾝｽﾞ？
道路にｲﾁﾊﾞﾝ近い円柱の周りにいた。
今日の幹事はﾕｳｽｹくん。
背後から女の子たちのざわめきが聞こえて、それが一番最後に待ち合わせに来たｻｰﾃﾞｨﾝｽﾞのｺｱなﾌｧﾝだった。
彼女達の姿を見付けるとｲﾜｼがじゃぁいこう、とゆって、ｴﾝﾄﾗﾝｽﾛﾋﾞｰの階段を上がって道路に出た。

道路の向こう側の土手にいつもの一行が開館を待っていた。
ﾕｳｽｹくんがこの辺の地の利に詳しい「ｻｸﾗさん、■■■って知ってます？」ってきいている。
道路、三叉路になっていて、右側の、山に向かってﾑｻｼと■■■がどんどん歩いていってる。
道、違うけど…なんて思いながら彼らの後を付いていくしかなかった。
不意に前方の視界からﾑｻｼと■■■が消えた。
道路は急に一段下がっていて、田んぼのあぜ道を歩く羽目になっている。
「まったく、ここ（の道路って）ってこうだから」とぼやきながらｻｸﾗを店まで案内するとかで付いてきてる。
あぜ道からｽﾃｰｼﾞ状の盛り土へ続く階段があって、住宅展示場の案内の幟がはためいている。
僕らのｳｼﾛにもｿﾞﾛｿﾞﾛついてきているｻｰﾃﾞｨﾝｽﾞ一行。
後でちゃんとﾗｲﾌﾞくるのか？とｻｸﾗにこずかれながらぼくは苦笑いでちゃんといくよ、と返した。