ﾎﾞｸの2階の部屋の東側にはﾍﾞﾗﾝﾀﾞがあって、
隣の家のｶﾞｰﾃﾞﾆﾝｸﾞで埋め尽くされたﾊﾞﾙｺﾆｰﾃﾞｯｷがすぐ隣接している、
むこうからその家のｵｶｧｻﾝが出てきていた。
初めて顔を合した。

隣の家におよばれしてしまって、
そのｵｶﾝから長男の自慢話(?)を散々聞かされた。
ｽｷｰとかｽﾉﾎﾞが好きで、しかも町内会の子供役員とかなんとかで、
いつも誘ってばかりでﾀｲﾍﾝなのよ、息子がかわいそう、とか言っていて、
たまには誘われなきゃかわいそうだからって、ｽｷｰ券を3枚くれた。
これでｳﾁの子を誘ってくれないかしら？
ｵﾊﾞﾁｬﾝの迫力にそんな約束してしまってｽｷｰ券を握ってｵｳﾁに帰った。

一軒家のお隣さんと一軒家のﾎﾞｸん家は道路を挟んで向かい側だった、
丁度引越し業者のﾄﾗｯｸが入って来た。3軒目のｵｳﾁも引越し開始らしい。
ﾎﾞｸん家の玄関に入ると待ち構えたようにｵｶﾝが立っていた。
誘うしかないのかなぁ、なんだか面倒な気持ちになってｵｶﾝにｽｷｰ券を見せた。
家は新築、玄関は90cm巾の、そのまま奥に１間ほどあるﾛｰｶがあって、突き当たりには明かり取り窓がある。
玄関のすぐ右脇はﾄｲﾚで、ﾄｲﾚの向かい側に階段があってそこから2階にあがれる、
左脇の襖が開いていて居間が見えた。
居間といえど床の間風な造りで、
中庭に突き出した縁側廊下は解放されている、中庭の対面に神棚がある、
部屋の中央に家具調ｺﾀﾂ(?)
中庭をぐるっと囲むように廊下があるようだった、
奥からｶﾞｯｺｳから帰ってきたばかりの弟が割烹着を来て現れた。
介護実習のｵｻﾗｲをﾔﾘﾀｲから付き合えという、
介護実習？いつのまにか専攻を変えたのかｷﾐは？
和服柄の変な服を重たい人型に着せる演習だった、
変な服は刺繍で補強するﾀｲﾌﾟの生地の伝統柄で、
いろんなﾄｺﾛから通し紐が出ている、これ、結ぶの?切るの?
それすらわからないで迷っているﾎﾞｸを尻目に実習をやってきたばかりの弟は完成して
戸惑ってる僕の手元のﾀｲﾑを測りはじめた。