文化祭でﾎﾞｸらのｸﾞﾙｰﾌﾟはﾌﾘｰﾏｰｹｯﾄに
大婆ﾁｬﾝの古売商の店構えそのままに怪しげなﾌﾞｰｽを作ったのだ。
売ってるものも奇妙で、骨董価値があるのかないのかもわからないような
壷や水差しや絵画や小物、ｵﾓﾁｬの小物、
とりわけﾎﾞｸが出店したのはﾅｶﾏ(ﾆｲﾁｬﾝとﾈｰﾁｬﾝ)にも評判が悪くて、
■■なんかｲﾝｸ壷を開けて中を見せながら、
っつーかこれﾔﾊﾞｲっしょー！顔料固まってんじゃん、っつーか使えんのｺﾚ？
ってなぐらいｲｷｵｲでまくしたてる、
黒のｲﾝｸの方はﾏｼﾞﾔﾊﾞでー。完璧ﾆｶﾜ状になってる。
新緑色の方はまだﾏｼでー。これなら薄め液入れれば使えんじゃん、とか言い張った。
どっかに薄め液も持ってきた筈だから…
てゆーか、ｺﾚ、ｱﾚよ？ﾌﾟﾚﾐｱもんよ？製造中止のﾒｰｶｰの幻のﾌﾞﾗﾝﾄﾞのｲﾝｸよ？
そんなｺﾄ云ってはみたものの、自分だってもう使わないからって出展したｸｻｲんだよね。

ｶﾞｯｺは鉄筋ｺﾝｸﾘｰﾄ造のｵｰｿﾄﾞｯｸｽな5階建て、
少し違うのは一般校舎はコの字型に配置されていて、
校舎に囲まれるように体育館＆講堂、2階建ての鉄骨造のｿﾚがあること。
講堂への入口は一般校舎の2階建ての渡り廊下で、
渡り廊下にはﾛﾋﾞｰぐらい生徒が整列できるｽﾍﾟｰｽがある。

整列させられた■学年総勢約360人は催し物がある暗いｶｰﾃﾝが引かれた講堂に入場する。

既に他の学年が席に着いていて、全生徒の半分1050人がｷﾚｲに着席した。
席は満席になっている。
手元のﾌﾗｲﾔｰを見るとﾎﾞｸの知ってるﾊﾞﾝﾄﾞも出るらしい
(だからｻﾎﾞらないで来たんだけど。)
一番目のﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑが始まった、席の近い仲間がｽﾃｰｼﾞを指差した、
ｻﾝﾄﾞｲｯﾁﾏﾝになってる3人がﾗﾒやｽﾁｰﾙﾍﾟｰﾊﾟｰ素材のﾎﾞﾝﾎﾞﾝで飾り付けた「D.M.T」を披露する、
3人の奥にはBGM提供のﾊﾞﾝﾄﾞﾏﾝ3人。
ｻﾝﾄﾞｲｯﾁﾏﾝ3人は宣伝部兼ﾀﾞﾝｻｰらしい。
期待したﾊﾞﾝﾄﾞじゃないからﾎﾞｸらの周りはざわめいていた、
金丸(地域名)のﾊﾞﾝﾄﾞもでるらしーぜ、と情報がまわってくる、
金丸って言えばあの田舎の、ﾎﾞｸの出身、そんなﾄｺにﾊﾞﾝﾄﾞやってる奴もいたのか。
って誰なんだろ？