電気屋のような両脇が商品棚の狭い通路。
歩きながらﾎﾞｽのような同じｽﾊﾟｲ仲間のような家族のような、そんな人を探していた。
ﾌﾛｱにはいろんなﾋﾄがいたが見つからず、気は急いていた。

待合室でぼんやりしているのも居た堪れなかった。
その病院は武蔵が辻と香林坊をつなぐ6車線道路(実際は4車線)の、
中間から武蔵が辻寄り、少々淋しい企業ﾋﾞﾙの多い場所、
交差点(横断歩道)のある脇道を入ったすぐのﾄｺﾛにある。
誰か探していて、横断歩道を渡って向かい側のﾀﾊﾞｺ屋(KIOSK風)に向かう。
横断歩道を歩いて渡る。
向こうの信号の下に男女のｶｯﾌﾟﾙがいて(20代前半の迫力在り風)ﾀﾞﾝｽを(そこで)演ろうとしている。
1人で渡ってきた自分に彼女は「1人で来るなんてﾍﾝ」と言うから対抗意識が燃えた。
1人でFUNKYなのをやって良いですか、ええ？
などと思いながらﾀﾊﾞｺ屋の番台を見上げた。
…店番はいるが、階段の奥にｱｲﾂがいる筈なのに姿が見えない。
諦めて戻る事にした。

横断歩道を渡ると診察を終えた患者達がその石畳のｴﾝﾄﾗﾝｽでｻﾞﾜｻﾞﾜと埋まっていた。
50歳くらいと70歳くらいのｵﾊﾞﾁｬﾝ達(姑と嫁)母子が探し物をしている。
ｵﾊﾞｧﾁｬﾝの方に訊いたら電車代が足りない、と言ってる。小銭を落したらしい…。
ｵﾊﾞｻﾝの顔はあんまり信用できなさそうな顔だったけどｻｲﾌから1100円玉を取り出してｵﾊﾞｧﾁｬﾝに渡した。
「そこの病院に通う事になってるから」と所在を言うが、多分戻ってこないだろうなぁ…。
脇道のもっと奥(病院を越えてもっと奥)に電車の駅がある。
2人はそっちの方へ歩いていった。

その広場にﾍﾞﾆﾔ板の制作途中のﾊﾞｽｷｱ風頭のﾔﾛｰの作品が立てかけてあって、
周りに本人と本人の男子弟子2人、僕の友人(女性)がﾌﾞﾗﾌﾞﾗしてた。
ﾋﾄが多いからﾍﾞﾆﾔが倒れ掛かって必死で抑える。
ちょっとした口論がｷｯｶｹでﾊﾞｽｷｱ風と弟子の金髪頭が対決する事になったらしい。
30cm四方に描かれた一連のｲﾗｽﾄ、早く全ての枠を埋め尽くした方が勝ちとか…
2人とも7,8個あたりで止まってる。
金髪頭は筆が止まってしまっていて僕に助言を求めるんだが、
ｲﾗｽﾄの質はなんだかなぁ、金髪頭、絵心あるとは言えないようなﾀｯﾁだよ…
最初の2枚はﾊﾞｰﾝと人の顔が描かれているが確信犯的に稚拙(いわゆるﾍﾀｳﾏ)ではなくて、
真剣に描いた結果がこれってｶﾝｼﾞで小学2年生くらいの子が描いた似顔絵みたいだった…。
この一連のｲﾗｽﾄにはﾃｰﾏが在るんじゃないの？とか何とか言うｱﾄﾞﾊﾞｲｽが手いっぱいだった。
勝手なｱｲﾃﾞｱは、それはそれで彼の自尊心を傷付けるような気がしたから。