目を覚ますとﾍﾞｯﾄﾞの足元の机の上に自分のｹﾞﾝｺｰと格闘しているﾖｼﾔがいた。
ｵｲ、なんで自分ちでやってこないんだ、と寝ぼけながら思った。
ﾈﾀはあらかたできているのであとはｹﾞﾝｺｰに上げるだけ。
ｹﾞﾝｺｰ用紙ならあるよ、50枚入りのが3束…(実話)
ﾍﾞｯﾄﾞの左側の部屋の壁のﾎﾝﾀﾞﾅに向かう、あるﾊｽﾞのところに無い。
執事(燕尾服を来ている)と雑用係が掃除をしてくれている。いつもの光景だが。
あれー？おかしいなぁ。
痺れを切らしたﾖｼﾔは後ろから抱き付いてきてｴﾛﾓｰﾄﾞに入りそうだった。
ｵｲｵｲ、先に仕事しろよ、
仕方が無いのでﾍﾞｯﾄﾞの右側の壁のﾎﾝﾀﾞﾅに向かう。
そっちのﾎﾝﾀﾞﾅは引越し後の片づけの最中だったからまだ雑にﾓﾉが置いてある。
片付けって言うのは長年持ってきたﾓﾉを捨てる時が来たって奴なんだよねー
どーも気になるのはｲﾁﾊﾞﾝ上の棚だ。脚立で上ってみるが御土産物のちっちゃい民芸品が並んでる…
そんな風に在る筈のﾓﾉがﾅｲﾅｲと焦っていたらさっきの執事とか、
ｾﾝﾊﾟｲ風情のｽﾀｯﾌや編集者っぽい小太りのやつが「あーあ」なんてため息を吐く。
ぁぁ、そーさ、ｵﾚは片づけが下手さ…だけど片付けてんのはｵﾚ！ｱﾝﾀらは見てるだけ！
ﾑｶﾑｶしてきたら探してるｹﾞﾝｺｰ用紙の事は忘れて片づけに夢中になってた。
…ｺｯﾁのﾎﾝﾀﾞﾅの上から2段目のﾎﾞｯｸｽ状の引き出し。
なんか開けたくないｶﾝｼﾞ…案の定、虫食いが!虫が!虫がｳｼﾞｬｳｼﾞｬ巣くってた！
ｼﾐみたいな虫。体長2cmほど！ﾃﾞｹｰ!
ぁぁ、もういやだ…ﾎﾞｯｸｽを仕舞って忘れる事にした。
まぁ、大体片付いたからね。

そんな訳で気晴らしに屋上に行った。
ﾃﾞﾊﾟｰﾄの屋上みたいだ。そこには動物ｼｮｰの看板が下がった4,5mほどのﾌｪﾝｽがある。
ﾌｪﾝｽの上にｼｮｰの団員がﾃﾞﾆﾑのつなぎを着て(ﾕﾆﾌｫｰﾑ)手を振っていた。
毎日来てるらしい。住人だからね。口髭で小太りの団長は屋上庭園の手入れをしてるところだ。
営業時間は終わっているけど見ていくかい？と誘われた。
ﾌｪﾝｽの上から軽く飛び降りて入口を開けてくれる。