間口４〜５間ほどの小さな境内の神社
社には小さなｵﾚﾝｼﾞ色の電球電灯が光っている。夜。
今日は特別祭事でもないので開帳はない。
入り口の鳥居の外、外垣の左側にも小さな鳥居と祠がある。お地蔵様が奉られている。
お地蔵様に手を合せている30半ば〜40前の男。
出所したてのその男は、
人の出逢いは不思議なものだ、とﾜﾀｼにしみじみ語る（健サン風？）
その男の肩を後ろからポンと叩いた男は■■■ちゃん。
町内会で顔の利く、ﾜﾀｼと同級生の男。
出所したての男は、ﾅﾂｶｼそうに、うれしそうにふりかえる。
年齢は違えど、２人の男は幼なじみだ。あいさつがわりの軽口をたたいてる。

■■■ちゃんに急かされるように神社を後にして、ﾜﾀｼは店へ行く。

駐車場にいくと、ﾜｲﾔｰﾌﾚｰﾑでできた車にﾀｹﾀﾞさんがまっていた。
…ﾜｲﾔｰﾌﾚｰﾑは公園の鉄棒みたいにﾎﾝﾓﾉになって、まるでｶｰｺﾞ。
そんなのに乗るのやだな、って渋っていたら送りのｸﾙﾏに置いていかれた。
ｸﾙﾏを追い掛けて踏み切りまで来ると、ｽｯｹﾞｨ力技で警報が鳴っている踏み切りを渡っていくｸﾙﾏ。
うわ、もう、なんてこと。
それでも追い掛けようと、遮断機が上がった踏み切りを走りわたると、向こう側に見知った顔が。
ｲﾉｳｴ夫妻だ。えっ？いつこっちへ？
ｽｷｰだかなんだか、ﾚｼﾞｬｰのための旅行らしい。
お子さんは増えましたか？
ふえてないよう、と奥さんが答えるけれど、
ﾊﾞｯｸﾊﾟｯｸにいるのは赤ちゃんだ。

その先の信号を左に少し行ったところに■■■ちゃんｵｰﾅｰ兼住み込みのﾌｧﾐﾘｰﾚｽﾄﾗﾝがある。
なんだかとってもﾊﾞﾀﾊﾞﾀしている。ｵﾊﾞｻﾝ達に囲まれて子守りを押し付けられる。
ほかの客の赤ちゃんまで…
と、ｵﾊﾞｻﾝ達に囲まれているﾜﾀｼはｵﾊﾞｻﾝの脇を歩いていくｱﾘﾄﾒ兄弟の兄を発見。
給与明細を持っている。ｵﾊﾞｻﾝをかき分けて声をかけた、
あの、ﾒﾝﾊﾞｰの人ですよね？次のﾗｲﾌﾞはいつですか？
…現金までもっている。給料は現金支給なんだろうか、
次はー、5月10日ぐらいだったかなぁ…。
給与明細の名前が見えた。●益。ｱﾘﾄﾒってあんな字なんだ。
ｱﾘﾄﾒ兄弟の兄はﾒﾝﾊﾞｰの待っているﾃｰﾌﾞﾙに付いた。

休憩室の和室４．５畳のなかにﾄﾞｰﾅﾂ型のｿﾌｧとﾃｰﾌﾞﾙが。
ｱﾘﾄﾒ兄ともっと喋りたいのにぃ。
休憩室にはﾜﾀｼと赤ちゃん数匹。
ｲﾉｳｴ妻のﾊﾞｯｸﾊﾟｯｸの中にはもう1人子供が入ってた。
…おい、全裸かよ。
3歳ぐらい？預かった赤ちゃん（弟）はｵﾑﾂしてるのにぃ。
やけに色の黒いその３歳児が小便をすると、連鎖反応のようにほかの赤ちゃんも泣き出した。
３歳児の小便を受け止めたのはおむつｶﾊﾞｰだった…
…いいよね、最近のｵﾑﾂはｶﾊﾞｰなしでも…（いいわけ）
てゆうか全裸なのがっ悪いんだよっ。

ﾐｰﾃｨﾝｸﾞが終わったらしいｲﾉｳｴ妻が休憩室にやって来た。
さっきのﾊﾞﾝﾄﾞｸﾞﾙｰﾌﾟ、あなたと知合いでほかのお客さんになじめたみたいよ、とゆう。
赤ちゃんをあやしながらﾌﾛｱの方を見る。
帰るお客さん達がﾊﾞﾝﾄﾞﾃｰﾌﾞﾙに挨拶していっている。
ﾊﾞﾝﾄﾞさんたちも挨拶してる…。
ﾊﾞﾝﾄﾞさん達もﾐｰﾃｨﾝｸﾞが終わってるみたいだ。ぼんやりしている。
話すなら今がﾁｬﾝｽ！…なんだけど、手が離せないよぅ。
上の階から■■■ちゃんが降りて来た。
見ると休憩室の真ん前のﾃｰﾌﾞﾙには町内会の幹部系のおじさん３人。
こいつらに呼ばれたのか■■■ちゃんは。
眠そうな■■■ちゃんはﾜﾀｼに、今年は単位とれそうなんだって？という。
現国か何かの単位ﾋﾄﾂのためにﾜﾀｼは定時制に通っている…在学中に取れなかった単位。
いやだからはやくﾊﾞﾝﾄﾞさんとお話したいんだけど…